ミスを素早く挽回した。地元の飯島昌弘(50=埼玉)が2周2Mの差し技で首位を奪い返し、21年12月の平和島以来、通算43度目、戸田5度目の優勝を飾った。見せ場を作った田中和也は悔しい2着、渡辺真至が3着に入った。

執念と冷静さが実った。1周1Mで逃げ切ったはずだったが、同2Mでターンマークを外す痛恨のミス…。その隙を田中和也がズバッと、とらえた。しかし、飯島も諦めずに前を追った。すると2周2Mで今度は田中のターンが膨れ、そのスペースに鋭角な差しをねじ込んだ。「自分の弱さが出た。“安全に”と思ったら全然安全じゃなかった。でも足は良かった」と反省しきり。再逆転成功にも「(田中は)西日がまぶしかったんじゃないかな。1周目のおれと一緒で」と笑いつつ、自らの失点を巧みにリカバリーした。

意外にも優勝は2年3カ月ぶり。戸田では12年5月以来、約12年ぶりとなった。「まあ、1走1走、頑張ります」。地元の責務を果たした安堵(あんど)感をにじませつつも、今後も着実に、堅実に毎走に臨む。