湯川浩司(44=大阪)が4コース差しでG1は13度目、江戸川では4度目のG1制覇を飾った。2着は小池修平で大阪勢のワンツー。3着は人気に推された杉山裕也が入った。

湯川の調整力と江戸川での対応力が大きく物を言った。スタートはコンマ09。「放ってしまって…」思った通りのスタートではなかったが、展開は絶好。ジカ内の3枠、長田頼宗が握って仕掛けたおかげで、湯川に差し場ができた。迷わず鋭い差しハンドルで突き抜け、一気に先頭へ。2番差しで追ってきた小池修平を抑え、1周2Mもしっかり先取りして押し切った。

「スタート展示で5枠の佐藤大佑くんに伸びられなかった。何なら僕のが出てるんちゃうか、くらいで。あまりにも展開向いた。伸びるのが分かっていたから(長田も)無理くりに行ってくれたんだと思うし」。強力な伸びを引き出し、しっかり1Mの展開を呼び込んだのが勝利の要因と説明した。

これで江戸川のG1は4度目の制覇だ。「(江戸川で強い理由は)あまりピット離れとか気にせんとペラ(を調整)できるのが大きいかな」。川の流れの中で進入争いがほぼ行われない江戸川水面の特徴が、湯川に向いているようだ。

今節を振り返り、4日目2Rの2着をキーポイントに挙げた。最終周回のゴール前で佐藤大佑を逆転して2着したが、あれがなければ優勝戦の枠番は湯川浩司と佐藤大佑が逆になっていた。「5日目(準優が)なかったしね。それが運に入るのかもしれませんね」。あえて運という言葉で終わらせた湯川だが、最後まで着順アップを諦めない心が結果的には優勝戦で戦いやすい枠番を呼び込んだ形。「今節足負けはないな、と思いました。4枠までなら(優勝は)あるな、って思いました」と振り返った「4枠」が、チャンスをもたらした。

「前回のG2ではもらった時からいい感じだった。今回はそのアレンジで(調整)させてもらったんですけどね。(前回のG2優勝時に乗った39号機の直前に乗ってペラをうまく合わせてくれた)浦田信義さんのおかげですわ」。江戸川で戦えるペラの形を残してくれた、東京支部の大先輩にも感謝を述べた湯川。冬場に江戸川のグレードレースを2勝して、大きく弾みをつけた2024年。今後の活躍が楽しみになった。