12Rで優勝戦が行われ、北野輝季(35=愛知)がインからコンマ12のトップスタートで逃げ切った。昨年10月の蒲郡以来通算16度目、戸田では初となる優勝を飾った。

多少の調整のずれは、本来のスタート力でカバーする。そんな北野の地力が証明された優勝戦だった。4枠の前沢丈史がピット離れでやや遅れ、早めに舟を前に付けて枠を主張したため、スローは4艇、ダッシュが2艇。スタートは枠なり4対2の進入になった。

北野は不安を抱えていた。「全体的に回転が足りてなくて回り過ぎてるかなと思って…。特訓でもずれがあって、それを見越して調整したら逆を行ってましたね。より悪くなって、やば~、みたいな」。そんな状況でも安定してトップスタートを行ける速攻力はお見事だった。

「スタートは全速で行きました。スローが4艇になったのが、良かったですね。かかりが悪いからワンテンポ待って握ったら、流れましたね。今節は良かったかかりが、どっか行ってました(笑い)」。それでも1周1Mを先に回ると舟はしっかり返ってきて、大豆生田蒼、伊藤将吉、秋山広一といった追ってきた選手たちをしっかりと振り切ってトップでゴールした。

「今節はついてましたね。6枠で勝てたり、2号艇で道中振り込んでも(事故とか)何もなかったり、とか。こういうのが、はまった時に勝てるのかな~、って。戸田は自分の生命線のかかりが来なかったり、乗りづらかったりが多かったんですが、でも勝率は残っている。割と勝率は稼がせてもらっているんですが、自分の中では狙って取っているとかの感じはなくて。だから戸田での初優勝はめっちゃ、うれしいですよ」と素直に喜んだ。

次回は16日からの若松一般戦を予定している。「今後の目標ですか? 1走、1走を大事に、(いい着順を)取れるように」。いい流れをつかんだ北野が、まずは連続Vを目指す。