海野ゆかり(48=広島)が、1周2Mで差して優勝。2着は中谷朋子、3着は長嶋万記が入った。

海野はこれが通算60度目の区切りの優勝。20年12月、浜名湖クイーンズクライマックスシリーズ以来、久々の優勝。江戸川で優勝したことで、全国24場制覇へ、残すは2場(桐生、蒲郡)となった。

優勝戦に入っても劣勢だった足を、海野の経験と知識で戦える状態に持っていったのが勝因のひとつだった。

「前回の優勝戦で失敗(1月ヴィーナスシリーズ=2着)しているから、またこの水面かよ~って(笑い)。でも、前とは潮の流れは逆だったから。対処はできてはないけど、もしかして何とかしたいなとは思っていた。ペラは点検程度。準優は安定板なしでのチルト0度だったが、4日目から回していって、準優の1周2Mで振り込んだ時点で、『これ、だいぶ回ってきたんだな』って。だから、安定板の付く雰囲気だったんで、頑張ってチルトは0度でいってみようと」。

そのチルト0度選択がばっちりはまった。勝負どころの1周2M、先マイ狙う長嶋万記と、差し返す海野は互いにターンマークを漏らす形になったが、海野の差しが決まって先頭に立った。

「2Mでハンドルを切った瞬間、2人ともターン漏れは分かってたんで。しまったと思った。でも、チルト0・5度だと、あの位置には入れなかった」。回転が上がっているのを見越して回り足を来させるのを優先し、チルトを上げなかった海野の作戦勝ちだ。

22場目の優勝については。「そうですね。(21場目も制覇から)いつ消えるんだろうと(笑い)。(優勝も)59回で止まってたんで。これも、嫌だなって思ったんです」。江戸川で勝ったことで、優勝回数も増やせて全場制覇へもメドが立ったのは大きい。

今後の抱負を「(優勝未経験の)残り3場のうち、江戸川を優勝したから何とかなると思った。残りは桐生と蒲郡? 積み重ねて、とりあえず頑張って。全場制覇? そうですね。あと2場なんで。だいぶベテランになりましたが、しっかり頑張って。やれたらついてくると思うんで」。

この優勝で来年8月に津で開催されるプレミアムG1レディースチャンピオンの出場資格も得た。「地味にやってますけど、優勝できたんで。自分自身も業界も盛り上げていきたいと思います。一時期、リズムは最悪で。成績不振でA2級に落ちたのが、だいぶ引きずりましたが、伸びをつけるの何年も苦労した。それが最近、伸び負けることがあまりなくなってきた」。海野の24場制覇への道は、かなり現実味を帯びてきた。