期待の新鋭、中亮太(25=福岡)がさらに飛躍するため、試練を乗り越える。

22年は波乱の年だった。8月の桐生一般戦で、待望の初優勝を飾った。23年前期にA1級へ駆け上がり、トップルーキーにも選ばれた。「同じ失敗を繰り返さずにできたから、でしょうか。差すところを握ったりとか、判断を間違えないように変えられました」。

だが、現実は厳しかった。今期の昨年11月に入った途端、徐々に成績が落ち、最もお世話になっていた先輩の1人、中田達也さんが宮島ボートでレース中に亡くなった。「本当にお世話になった先輩でした。真面目な性格で、それでいてふざける時は一緒にふざけてくれました」。塩田北斗とともにレースや調整、私生活まで支えてくれた人がいなくなったのは大きなショックだった。「しっかりとお別れさせてもらいました」。気丈に前を向いた。


中亮太(2022年12月16日撮影)
中亮太(2022年12月16日撮影)

成績を再び上げるため、今後も努力を続ける。「調整力がないので、レースする以前のところで負けています」。若松のG1九州地区選、芦屋G1周年では、先輩レーサーの横で必死に調整を試す姿が見られた。目標のプレミアムG1ヤングダービー制覇に向けて、真価が問われる。

◆中亮太(なか・りょうた)1997年(平9)5月3日生まれ、熊本県出身の122期生。18年5月福岡一般戦でデビューし、19年7月丸亀一般戦で初勝利。初優勝は22年8月桐生。同期には畑田汰一、中村日向、安河内健らがいる。161センチ、52キロ。血液型O。