◇常住蓮(21)佐賀支部126期

 2020年5月にデビュー。2022年後期適用勝率で5・55をマークし、デビュー3年目でA2昇格を果たした。

「デビューしてから1、2期は6コース、3期目に4~6コース、4期目からスローに入ると進入は決めていました。養成所の時から外からでも戦えるように思ってやってきました」

 養成所時代から明確なビジョンを持って出世街道を順調に歩んできた。特に4期目となる2022年後期の級別審査期間(2021年11月~2022年4月)は1着数が6から19に増えたのをはじめ3連率も57%を舟券に貢献する回数も格段に増加している。

 2月の福岡・九州地区選でGⅠデビュー。3走目には5コースからまくり差しを決めてGⅠ初勝利も飾ったが、大きな壁を痛感するシリーズとなった。

「力の差を感じました。足りないところだらけ。だから、今〝特に何に力を入れている〟と聞かれても全部というか…。調整、ターン、ダッシュ乗り、道中の位置取り…。本当にいろいろです」

 この経験は考え方にも大きな変化をもたらした。「もちろんA級を目指してやってきました。でも、地区選を経験して地力がつけば(A級は)勝手についてくると思うようになりました。そのためには数字だけではなく中身をつけないといけない」

 プロの世界だけに勝率、1着数、優勝数など数字が評価の基準となるものの、時には数字だけが先行してしまうこともある。冷静に自分を見つめて内容が伴った数字なのか、をしっかり判断することの重要性を理解したのだ。

 師匠はSGでも活躍する山田康二。「ペラ調整は思った通りにやっていい」と言われているという。「実際に一緒の斡旋になって比べると全然、違うペラの形だったりします」と明かす。

 ただ、師匠とは調整の方向性が違っても、すぐには変更はしない。「まずは自分で乗ってみて〝何が足りない。こうしたい〟と感じたところを調整するようにしています。人のゲージをそのまま使っても自分の力にはならない。このやり方は大変だとは思うけど、これが自分の力になると思うので…」と信念を貫く。

 今後に向けても「目標は数字ではない。目の前の一走一走の中で学べることがあるはず。そういう気持ちで走っています」とキッパリと話す。

 強くなりたい――。このシンプルで愚直な思いを土台にレーサー人生を歩む。

☆つねずみ・れん 2001年1月2日生まれ。佐賀支部所属の126期生。佐賀県出身。2020年5月からつでデビュー。初勝利は2021年1月の児島。優出、優勝はない。同期には大沢風葵、浜野斗馬、山下大輝、中野希一、仲航太ら。