◇守屋美穂(33)岡山支部101期

 ボートレース宮島のSG「第49回オールスター」が24日に開幕する。ファン投票によって選ばれたスター選手が熱い戦いを繰り広げる〝艇宴″。人気トップレーサーたちが世界遺産・厳島神社を望む水面で鮮やかな航跡を描く。ビッグレース恒例の直前カウントダウンコラムでは「星の航跡」と題してファン投票トップ3の胸中に迫る。第1回が女子トップ得票で全体でも3位の守屋美穂が心境を明かした。

 ファン投票の得票数は2万3934票で3位。2年連続で初日ドリーム戦に登場する。女子ナンバーワンの人気選手に推され「まだ実力が伴っていない中でこれだけ多くのファンの方に選んでいただいてすごくありがたいですね。だからこそ、早く票数に見合った実力をつけないといけないと思っています」と気を引き締め直している。

 オールスターはこれで5年連続6回目の出場。得票数の増加とともに年々、熱気を増すファンの期待を心地よい緊張感に変えている。「ファンの皆様のおかげで出られる大会だし、いつものSGよりもやっぱり気合が入る。いや、気持ちが入りますね」と慎重に言葉を選びながらこう語った。

 2月の桐生GⅡレディースオールスターを含め、今年は3Vと好調だ。「ここまではすごくアッという間の5か月でした。でも、調子自体は悪くなくいけていると思うし、いいことの方が多かった感じでした」と桐生で流した涙を思い出すかのように笑みをのぞかせた。

 舞台は違えども桐生で最後に披露した4カドからトップスタートを切って攻めたレーススタイルには「気持ち」が乗り移っており、投票してくれたファンにとってはこれ以上ない最高の結末だった。

 人気先行――。そんな周囲の評価を覆すべく着々と実績を積み重ねている。昨年7月の芦屋オーシャンカップではSGで初の準優進出。結果は3着と優出まであと1歩のところまでこぎつけたのはステップアップへ向けた自信につながっている。

「これまではエンジンが出ていても結果を残せなかったことが多いので、それを考えれば良かった。でも、まだ足りない部分も多いので、もうちょっと地力をつけたい」

 オーシャンカップの準優進出こそ一番欲している地力強化の証。SGでの成績が選考基準となる6月からつの「グラチャン」初出場にもつながった。本人が気付かないうちにSGクラスのスピードに対応した展開の読みを身に着けている。

 宮島は昨年4月から連続優出中と好相性水面だ。「選んでいただいた方々のためにもしっかり気持ちを込めて走りたい」。淡々とした口調の中にもオールスターは特別な舞台との思いがにじむ。