ボートレース下関のGⅡ「第4回全国ボートレース甲子園」は10日の最終日、ベスト6によって12Rで優勝戦が行われた。6号艇・白井英治(45=山口)が前づけに動いたが、1号艇・深谷知博(34=静岡)がインからコンマ12の好スタートを放つと他を寄せつけずに圧倒。今年4回目、通算37回目の優勝をGⅡ初Vで飾った。施行者推薦では初となるボートレース甲子園Vで深紅の大優勝旗は静岡に渡った。

 今節は予選ラストを連勝。得点率、上位着順差も茅原悠紀と並びながらも、上がりタイム差で逆転で予選トップ通過。流れを自ら引き寄せていた。ただ、優勝戦は決して簡単な戦いではなかった。大外枠の白井が前づけに動いて進入は深くなり、プレッシャーは相当なもの。それに加え、10、11Rはインが敗れ、3連単16万円、3万円のビッグ配当が続く〝嫌な流れ〟が…。それでも、インからコンマ12の上々のスタートを決めると1M先マイ。他を寄せつけない逃走劇で大会初Vを譲らなかった。「(進入は)100メートルを入ってました。でも想定していました。もう少し深いところも練習していた。あとは自分の気持ちだけだった」と慌てず騒がず。「スタートはフライングを切らないところで全速でいった。少し遅れました。1Mは外していた。バックは差されているだろうと思った」と振り返った。「エンジンはターン回りはもらった時から良かった」と相棒53号機は前検から好感触でこのVを大きく支えた。

 2年連続2度目の出場となったボートレース甲子園。ただ、今回は施行者推薦。きっちり〝恩返し〟のVで結果を残した。当地は2020年4月以来の参戦となったが「下関は走る機会は少ないけど印象はいい」と話していた通り、その相性の良さを存分に発揮して好走を披露した。

 レース直後はファンからの温かい声援を受けて感激の涙も…。次走は尼崎SGオーシャンカップ。「尼崎は結果を出せていない。いつも通り一つひとつ、目の前のレースで自分の仕事をして結果を出せれば」と気を引き締めた。さらに8月には地元・浜名湖でSGボートレースメモリアルもあり「選んでいただいたのでベストを尽くして結果を出せれば最高」と自身のスタイルを崩さずに戦うことを誓った。