ボートレース尼崎のSG「第27回オーシャンカップ」が19日に開幕する。選考基準は昨年5月1日から今年4月30日までの1年間のGⅠ、GⅡ優勝戦の好成績を残した強豪。このトップレーサーたちがスタンドに戻ってきたファンの「熱き声援」を背に受けて、水面を疾走する。ビッグレース恒例の直前カウントダウンコラム第1回は選手会長に就任した瓜生正義(46=福岡)。〝走る新選手会長〟が胸中を明かした。

 総勢1600人を数えるボートレーサーをまとめ、率いるのが選手会長である。この7月、10年間にわたって会長を務めた上滝和則(佐賀=60期)から会長のバトンを引き継いだのが瓜生正義新会長だ。上滝が会長就任時に「九州を頼む!」と九州地区のリーダー的存在を任された瓜生が、今度は全選手のまとめ役を託されることになった。現役バリバリのSG常連が、会長という大役就任に葛藤はなかったのか――。

「自分は選手会の理事もやっていたし、特に抵抗はなかったですね。上滝さんが『こんな選手会にしたい』という理念に共感できたので、会長に立候補しました。上滝さんの理念は『選手会が孤立することなく施行者、競走会、その他ボートレースに関わる全ての関連団体と良好な関係を築いた上で、選手会も関連団体もお互いに発展できればいい』というものです」

 上滝以前の会長は〝3年に一度〟出走するだけで会長職を続けたが、上滝はこの殻を破り近年は〝走る会長〟としてレースを続けた。瓜生新会長も「会長も選手である以上、レースに参加するのが本来の姿だと思うので」今後も水面を疾走し続けるという。つまりオーシャンカップは選手会長が参戦する初めてのSGになるのだ。

 となると、気になるのが尼崎との相性や水面攻略法だが「尼崎はSG優出(2004年オールスター3着=優勝は上滝)もあるし、嫌いじゃないですよ。ただ、水面に慣れるまでは道中の位置取りでミスするんですよ。広いからどこを走っていいか分からなくなる。博多に遠征して来た選手が、最初はクセのある水面に戸惑うのと一緒ですね」とカギは序盤にあるという。夏場のプロペラについては「自分は季節による好不調はないですね。強いて言えば冬から春にかけてが苦手かな」と問題なし。

 夏バテ対策も「特にしていないです。家では毎晩ビールを飲んで、ビールの次は何にしようかと考えています(笑い)」と晩酌と持って生まれた丈夫な体が暑さを吹き飛ばす。

「尼崎では会長でのSG優勝を狙いますよ!」

 新会長は通算12回目のSG制覇へ意欲満々だ。