◇村上遼(30)長崎支部110期

 ボートレース尼崎のSG「第27回オーシャンカップ」が19日に幕を開ける。GⅠ、GⅡ優勝戦の着順点上位選手という選考基準をクリアしたトップレーサーが集結する。そして、この難関をくぐり抜けて初めてSGに挑戦するのが村上遼だ。デビュー11年目で手に入れた夢舞台への切符。カウントダウンコラム「熱き声援」最終回はビッグレースを控えた村上の胸中に迫った。

 オーシャンカップ初出場は福来剛、船岡洋一郎、佐藤翼、村上、山田祐也、椎名豊、村松修二の7人。その中でSG初出場となるのは村上のみ。「うれしいです。強い思いを持って行こうと思っています」と目を輝かせる。

 昨年5月のGⅡモーターボート誕生祭、今年1月のGⅠ69周年と地元・大村で優出を重ねてつかんだSG切符。「大村のGⅠ、GⅡの優勝戦に乗れたことでポイントが加算できたので大村への感謝を込めて走りたい」という。さらに師匠の飯山晃三は2回、SGに出場。2007年の桐生、2010年のまるがめといずれもオーシャンカップだ。「飯山さんが出たのがオーシャンカップなので、やっと師匠に追いつけて同じ舞台に立てるという思いがあります」と感慨深げに心境を明かす。

 2012年5月にデビュー。2018年後期にA1初昇格を果たしたものの定着までは至らなかった。2021年前期から4期連続A1。そしてSG出場にたどり着いた。「思い返せばいろいろあったな、と思います。やっと出られるという思いもありますし、腐ったことはないけど、出られないんじゃないか、思ったこともありました。こうして出られることには感謝していますし、出るからには、という思いもある。出るからには結果を残したい。結果にはこだわりたい」と、これまでの思いを初の大舞台で存分にぶつけるつもりだ。

 6月の住之江GⅠ66周年記念で優出。直前のからつでも優出とまずまずのリズムでSGを迎える。この近況については「流れがいいのかな、とは思うけど、まだ満足いく感じではない。ちょっと停滞しているような気もするので、いい流れに持って行きたいと思います」と自己分析。その上で「自然体で行きたい。考え過ぎると良くないタイプなので…。勝手に焦って勝手に事故していうこともあった。10年、走ってそう思います」と冷静にビッグレースに臨む構えだ。

 ただ、意識するのはやはり12月に地元で開催される大一番グランプリとGPシリーズだ。「ちょっと遠いかもしれないですけど、大村で開催されるので、そこは目指していきたいなと思っています。そこを目指して目の前の一走一走だと思っています」。SG初挑戦とはいえ地元ビッグレース出場のためにも〝一走入魂〟で結果を残すつもりだ。