◇定松勇樹(21)佐賀支部125期

 憧れの師匠に追いつけ、追い越せ――。そんな大きな野望を胸に奮闘する佐賀期待の大型ルーキー。125期養成所チャンプとしてプロへの第一歩を踏み出すと、初出走から1年4か月目にはボートレース若松で初優出(6着)。2021年後期には勝率5・75をマークし、デビュー3期目でA2昇格を果たした。

 まさに順風満帆のボートレース人生だ。しかし、自身は「自分の思い描いている成長速度とはかけ離れている」と不満を漏らす。「デビューから3期目でA2に上がれたのは、本当にたまたま。次の期にはB1級に落ちましたからね…。調整面も含めて、まだまだ地力が足りないと感じました」と冷静に自己分析する。

 ただ、2022年後期は勝率5・83に戻し、7月からA2に復帰した。それでも「A1を意識してやっていて、そこが見えていた時にF2になってしまって…。デビューから5期でフライング5本は多すぎですね。Fで自分を苦しめている」と反省は尽きない。

 そんな定松を奮い立たせるていのが、グランプリ2VはじめSG5冠の師匠・峰竜太の存在だ。福岡出身ながら峰の背中を追い、佐賀支部を選ぶほどの心酔ぶり。「(峰)竜太さんの存在は偉大すぎて…。常に上の舞台で負けられない状況の中、戦われている。そんな人が近くにいるのは、自分にとっては相当なプラスになっている」と話す。その峰からは「調整や操縦面よりも、メンタルのことを教わっています。早く上に上がってこいとも言われていますよ」と発奮材料となる言葉も贈られている。

 峰だけではない。同じ佐賀支部の1期上の末永和也、1期下の常住蓮の存在も大きい。「みんなでA1に上がろうと話しています。自分だけ置いて行かれないように頑張らないといけない」と気を引き締めていた。

「早くA1に上がりたい。そのためにはFをなくすこと。質のいいSを心掛けたい」と自分に言い聞かせるように話す。そいて「いつかは記念やSGを常に走れるように」と大きな峰と同じ舞台に立つことを目指している。憧れの師匠と共に大舞台で活躍する姿を見られるのも、そう遠くはないはずだ。