◇松本一毅(27)大阪支部117期

 7月からA1に初昇格。その率直な思いをこう明かす。「まだ胸を張って自分はA1レーサーです!と言えるような実力はないと思っています。もちろんGⅠを走れるなら行ってみたいという気持ちはあります」。

 2017年後期から9期はB1生活。順調に勝率を上げてきたが2019年前期から2021年後期まで勝率4点台で停滞していた。それが2022年前期に勝率5・43をマークしてA2初昇格。さらに2022年後期は6・23と勝率アップに成功し、A1昇格と一気にステップアップした。

 成績アップの要因は何か――。「スタートが一番デカいですね。以前は時計を見過ぎていたけど、最近は早めに見切るようになった。手前で十分、入っているなというところで体を伏せることでスピードが乗る。タイミングも良くなるし、スタートの質も良くなった」と明かす。1年間の平均スタートタイミングも2019年まではコンマ20前後だったが2020、2021年はコンマ17。今年はコンマ15となっている。

「自分のスタートで行けると思うタイミングはコンマ20くらい。そのタイミングで伏せ込むと実際はコンマ15。早いと思って行ってもコンマ05くらいでフライングを切らずに踏みとどまる」とスタート勘をしっかりとモノにしている。

 阪本聖秀さんが師匠だったが、2021年6月に引退。現在、師匠はいないが、阪本さんとの親交は続いている。アドバイスを求めることもあるが「もう引退した選手にそういうこと聞くなよ」と笑い飛ばされるという。父・浩一さんも元ボートレーサー。「父も阪本さんと同じでボートレースの雑談はするけど技術的な話を教えてもらう、ということはないですね」という。

 同じ大阪支部の同期には上田龍星、小池修平がいる。「レースで一緒になったらペラ調整の情報交換や足併せをします。でも、上田龍星は天才的過ぎて何でもできてしまうので、ちょっとかみ合わないというか…。修平の方がペラ調整の話も合う。一緒の節は修平にべったりです」と笑う。

 目標は初V。「優勝に絡むような活躍をしていれば勝率も自然と上がってくると思う」。さらなるステップアップのためにも〝優勝〟という結果を求める。

☆まつもと・かずき 1994年8月30日生まれ。大阪府出身。大阪支部所属の117期生。2015年11月に住之江でデビュー。2017年11月の鳴門で初勝利。初優出は2020年10月の江戸川。優勝はまだない。同期には上田龍星、小池修平、吉田凌太朗、中村泰平、吉田裕平、出口舞有子ら。