◇森永淳(41)佐賀支部86期

 各ボートレース場から推薦されたトップレーサーが激突する〝真夏の祭典〟SG「第68回メモリアル」が23日に幕を開ける。ダービーと並びボートレース界でも最も歴史のある大会で今年の舞台はボートレース浜名湖。メモリアルは1992年の第38回大会以来30年ぶりの開催となる。カウントダウンコラム第2回「祭り太鼓が鳴り響く」では14年ぶりにメモリアルの舞台に戻ってくる森永淳が心境を明かした。

 2004年の蒲郡メモリアルでSG初出場。2008年7月には下関MB大賞でGⅠ初制覇。2009年にはSG5大会に出場し、多摩川クラシックでは優出も果たした。

 SG常連となり、SGVも時間の問題。トップレーサーの一人として艇界を力強くけん引する存在になると期待されていたが、難病に襲われる。脳脊髄液減少症――。頭痛、めまい、耳鳴りなどの症状に悩まされながらも、なかなか原因も分からず苦しい日々が続いた。2013年に手術に踏み切って完治。2013年後期、2014年前期とB1級に降格したが2014年後期にA1復帰を果たした後はA級をキープしている。

 SGは2015年の浜名湖ダービー以来の出場も〝平常心″を強調する。「気持ちは何も変わらないですね。病気する前はやる気満々で行っていたけど、病気を克服してからは、どのレースも同じ気持ちで一走一走マイペースでやろうと決めているので…。走れるだけありがたい。やり過ぎて何回も倒れているので、あまり気持ちを入れないよう普段のレースと一緒にすようにしている」と打ち明ける。

 近況は6月の下関ミッドナイトレースで優勝。峰竜太、深川真二ら佐賀支部の強豪が集結した前走の地元からつのお盆レースでも準優進出とまずます。「エンジンの引きもいいと思います。7月の若松(優出5着)でもエグいのを引けた」と自身も手応えをつかんでいる。

 メモリアルは2008年の若松大会以来14年ぶりだが、出場回数は4回目。SG初出場となった蒲郡メモリアルでは初日1Rで3コースから差して初勝利を決めた。「一番、最初に行ったSGがメモリアルでSGの初1着の水神祭もメモリアルだった。思い出はメチャクチャある。実は一番、最初にボートレースを見たのもメモリアルの優勝戦だった」と深い〝縁〟がある大会だ。

 今回、ボートレースからつからの推薦2枠は森永と上野真之介。「久々にメモリアルに選ばれて、うれしい。あとはレース場に行ってやるだけ。之介(のすけ)さんと2人で頑張りたいと思います」と静かに闘志を燃やしている。