◇今井裕梨(38)群馬支部92期

 6月、地元・桐生のヴィーナスシリーズでデビュー20年目で念願の初優勝を飾った。

「肩の荷が下りたっていう感じですかね。だいぶ前に亡くなった父が〝私の優勝を見られなかったこと。それだけが心残り〟と話していたんです。墓前でしたけど、やっと報告できました」と感慨深げに語る。

 優勝戦は1号艇。先マイも道中は松本晶恵との激しい競り合いとなった。「何度も晶恵ちゃんに差されて…。その度に終わったな、思ってました。何度かリプレーを見直したけど〝コイツ下手くそなターンをしているなって(笑い)。でも、直線で伸びてくれたので勝てました。これで勝てなきゃ一生、勝てないというくらいエンジンは出ていた。エンジンのおかげですね」とレースを振り返る。

 優勝直後は「とにかく必死だったので感慨に浸る余裕はなかったです」という。「実感したのはレース後ですね。すぐに同期の毒島誠とか、たくさんの人からお祝いのメッセージや電話があった。ありがたかったですね」と笑顔を浮かべる。

 2010年と2011年の2回、女子王座決定戦(現レディースチャンピオン)に出場した実績もある。2012年前期からB級暮らしが続いたこともあり、大舞台から遠ざかっていた。ただ、2022年後期にA2復帰。2023年前期適用勝率も6点台に迫る勢いだ。「今後の目標はレディースCにもう一回、出ること。そのためにA級は絶対にキープしなきゃいけないし、継続して結果を出すことも大事」と気持ちを引き締める。

 優勝後も4節に出場して、すべて予選を突破し、優出も2回。再び大舞台へ――。順調に歩を進めている。

〈今井裕梨・今後の出走予定〉

◇8月30日~9月4日 鳴門ヴィーナスシリーズ

◇9月18~23日 桐生GⅢオールレディース

◇10月1日~6日 宮島GⅢオールレディース

☆いまい・ゆり 1984年2月28日生まれ。群馬支部所属の92期生。群馬県出身。2003年の桐生でデビュー。2004年4月の桐生で初勝利。2022年6月のの桐生で初優勝。通算22優出1V。同期は毒島誠、大峯豊、安達裕樹、松村敏、浜崎直矢、土屋千明ら。