◇岡村将也(33)福岡支部110期

 7月31日、大村で悲願の初優勝。デビュー10年3か月、12回目の優出で念願達成となった。

 その〝におい〟は漂っていた。4月の三国で2019年11月大村一般戦以来の優出を果たした。さらに6月のびわこでも準Vと着実に調子を上げて初優勝に近づいていた。

 そして、ついにその時が来た。市川哲也、赤坂俊輔ら強敵が内を固めたが5コースから角度良く差してVゴールを駆け抜けた。「エンジンはいい仕上がりだった。でも、展開さまさまですよ。自力じゃ無理だった。水神祭はするつもりはなかったけど、先輩方が祝ってくれたので…。水面はぬるかった」とメモリアルデーを振り返る。

 それから約1か月。「うれしいけど、自分はあまり実感がないんですよ」と素直な心境を笑いながら明かした。兄・慶太からは「『おめでとう』と言われました」と照れくさそうに話した。

 もちろん、この優勝で満足しているわけではない。これまで12回の優出があるが、1号艇での優出はない。「次は1号艇で優出して自力で優勝したい」と〝自力V〟へのこだわりを見せた。

 2023年前期適用勝率は6・04(5日現在)で2021年前期以来4期ぶりのA級復帰も視野に入る。「A級には復帰したい。そこは意識していきたい」とキッパリ。さらに「最近は調整などいい方向にはいっている」と手応えもつかんでいる。

 リズム良好な上、調整面でも充実しているとなれば、この初優勝をきっかけにして、さらなる飛躍も十分、期待できる。前走の下関でも転覆失格があり、予選突破はならなかったが、12走で3勝、舟券絡みも7回と好走した。

 オフの日は「コロナなので外出は減りましたね」と寂しそうに話したが、そんな中でも「釣りが趣味です。毎週でも行きたい」と言うほどの釣り好きだ。釣り人の中では「釣るので満足」なスタイルと「釣って食べるまで」のワンセットを楽しむスタイルに分かれるという。岡村は「食べたいものを釣りに行く。さばいて食べるまでが最高です!」と強いこだわりを持っている。つかの間の休日も〝水面〟で満喫してリフレッシュしている。

 今後の目標は「あまり考えていないけど、自力優勝ですね。一走一走、一生懸命走りたい」と目の前の一走に全力を尽くすことを誓った。

 狙いを定めた〝自力優勝〟で2V。A2→A1昇格、GⅠなど記念参戦…。着実にステップアップしていくつもりだ。

☆おかむら・まさや 1989年7月3日生まれ。福岡県出身。福岡支部の110期生。2012年5月に若松でデビュー。同年7月の福岡で初勝利。今年7月に福岡で初優勝。兄は岡村慶太(104期)。同期には上條暢嵩、村上遼、白神優、三浦敬太、河野大、喜多須杏奈ら。