◇中村桃佳(29)香川支部114期

 プレミアムGⅠ「第9回ヤングダービー」が20日に幕を開ける。今年の舞台は全国屈指の静水面と評されるボートレース多摩川。若手レーサーの積極果敢なスピード勝負が繰り広げられる。カウントダウンコラム「時代を創れ!」第2回は女子初のヤングダービー制覇を目指す中村桃佳にスポットを当てた。強豪男子とどう戦うか。そしてヤングダービー卒業の思いを語った。

 今回が3回目の出場。ヤングダービーの出場資格は「9月1日時点で30歳未満」。中村は来年2月に30歳となるため今大会でヤングダービーを〝卒業″となる。

「3回だけですか…。もう少し走りたかったなあ。来年30歳になるし、20代最後の大きなレース。これが最後のヤングダービーになる。ただ参加するだけではなく爪痕を残したい。行くだけで終わりにはしたくないですね」と力強く意気込みを明かした。

 2018年にびわこGⅡレディースオールスターを制するなど女子トップレーサーの一人として活躍。2018年の福岡オールスターではSG初出場も果たしている。

 2018年11月に同支部先輩の竹田和哉と結婚。2020年4月に約1年4か月の産休から復帰すると徐々に本来の調子を取り戻し、今年は6月の平和島、8月のまるがめでVと好調モードに突入している。

「産休前の方が思い切ってレースができていたと思う。今は自分のどこかに〝無事に〟という気持ちがあるのかも…。ただ、今の方が冷静にレースはできていると思います。最近はいいエンジンを引けているのもありますね」と分析する。

 特筆すべきは今年の2Vがともに男女混合の一般戦ということ。特に8月のまるがめはお盆シリーズでは、この直後に浜名湖SGメモリアルを制した片岡雅裕をはじめ森高一真、重成一人、石丸海渡、兄の中村晃朋、夫の竹田など香川支部主力を相手に勝ち切った。

「男女混合の一般戦で優勝できているのは体重差を生かせているからだと思います」と打ち明ける。ヤングダービーも若手男子との対決。「今の若い男子選手はターンスピードが違うんですよ。香川の選手もそうですし…。そこの差は感じます。なので、体重差を生かして対抗したいですね」と〝戦略〟を練る。

 多摩川については「結果につながっていない感じ。エンジンも出し切れないイメージがありますね」と話すが、5節に出場して3優出。当地勝率も7・16という成績を残している。「でも、水面もきれいで好きなんですよ」と笑顔を浮かべるように決して悪い印象はないようだ。

 最後のヤングダービー――。ピーチ姫が強豪男子を従えて駆け抜ける。